農林水産省料理人顕彰制度料理マスターズ

農林水産省料理マスターズ

まさか、このような賞をいただけるなんて思ってもみませんでした。

店をオープンした24歳からすでに、17年店をやっています。
その間は、独学独学で料理に向き合ってきました。
料理をしていく中で、本当にいいものを仕入れることはこんなに難しいことなんだというのが、自分の実体験としてありました。

いつかは、自分が本当に惚れ込んだ食材を使って、今までお客様に生かしてもらった分を料理で恩返ししたいなと、自分が本当にいいなと思った食材でお客様をお迎えする店をやりたいなと思っていました。

ABCある食材の中でAの食材だけを使いたいなと思い、Aの所にいったら、その中でもABCがあり、果てしなくいい食材を手に入れることの難しさに気づきました。

AのAと簡単に言いますが、生産者のところにはじめて行ってわかったことですが、1万個に1個だったりするんですよね。
それには、たくさんのお客様を入れてしまうと足りなくなってしまいます。
それを味わってもらうために、色々な生産者とたくさん話して、手に入れられるようになりました。
その中で、地元生産者とのNWができ、色々な話ができるようになってきたころに、地域の中にある伝統野菜などが宝箱の鍵があいたように、色々出てきたのです。

色々なところで日本一になるのは難しいことですが、自分の住んでいる地域の食材に一番詳しくなることはできるのではないか、それもある意味、日本一じゃないか!と思い、地域のたくさんの生産者に会いに行きました。
そのような活動をブログに書いていたところ、福島県食材を使ってフランス大統領宮殿やモナコ公国で料理を作ることや、フランスでの福島食材フェアーをやってほしいというような話が舞い込んできたんです。

経営者として、店を大きくすることも考えた時期はあったのですが、一番身近で小さなことをしっかりやらないと見えるものも見えなくなってしまうんだなと気づきました。
私にとって、一番の生活の糧である料理をやるということは、目の前にあるお客様を大事にする、それが自分の生きることであり、一番身近なことだと頭から雷が落ちました。一番身近なことを大事にする、この小ささが究極だなと思ったんです。
ここから、「一日、一客」という発想が生まれました。
「Small is Beautiful」、これは私の「畑の味のフレンチ」というドキュメンタリー番組を作ってくれた、山登宏史さんが教えてくれた言葉です。小さなことを大切にすると色々なことが広がっていくことがわかりました。
これが自分が生きてきた人生なんです。
私は、世界一小さな店を作りました。これからも、目の前のお客様を大切に小さな店を続けていきたいと思います。

料理マスターズの話から少しそれてますが、料理マスターズは料理技術が卓越しているのはもちろんなのですが、地域の日のあたらない食材に価値を出した料理人などに与えられる賞です。
世界一小さい店がこんな大きな賞を頂けたのは、地域に素晴らしい生産者がいて、素晴らしい食材を守ってくれていたからです。
地域の宝物を大切に、これからも世界一小さい店を続けていきます。
自分の通ってきたこの人生で出会ったものが自分のオリジナルなんだなと気づきました。
この宝物であふれた料理をお客様と共有できるこの店を続けていきたいと思います。

シェフ 農林水産省料理マスターズ
萩 春朋

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